モニタリング6
2025-09-08

モニタリングで毎月1回は訪問していることでしょう。ケアプランが有効に機能していることを確認する機会でもあります。サービス事業者が当初予想していたサービス提供が難しい場合もあります。特にヘルパーについては、1対1でのサービス提供になりますから、目標を達成するのがヘルパー本人の力量にかかってくることがあります。ヘルパーもいわば密室のような空間でのサービス提供になるわけですから、緊張することもあります。緊張すると普段はできていることもできなくなります。
対象者によってはカスタマーハラスメントが発生することがあります。特に多いのが、ヘルパーをお手伝いの人と勘違いしている対象者です。独居の高齢男性とかであれば、性的いやがらせをする場合もあります。女性の高齢者でも言葉の暴力をする場合もあります。
正常な認知機能があれば、その場で断ったり逃げたりすることもできると思います。ヘルパー事業所としてもそれが原因でヘルパーが退職してしまうリスクもあります。このようなハラスメントがある場合は、事業者間で話し合いの機会を持つことが必要になるでしょう。契約書にそのような場合は(各種のハラスメント)解約できることが記載されていれば、契約解除も可能です。しかし、解約した事業所はそれでヘルパーを守ったと思うかもしれませんが、対象者は他のヘルパー事業所を利用することになります。それで、次々ヘルパー事業所を変えてしまう対象者もいます。
どうすれば、良いのでしょうか?やはり、ハラスメントをする理由を突き止めないとなくなることはないでしょう。利用者は一人暮らしだったりすると他者の意見を受け入れない傾向になります。他者と交わる機会があれば、人それぞれで立場や環境が違うことを理解できるようになります。高齢者は長年の自分の生き方に自信を持っていることが多いので、そのプライドを傷つけずに理解してもらうようにすることが大切です。
高齢者であれば認知機能の低下もあるかもしれません。精神的に不安定になっていることもあるでしょう。もしくはかつてヘルパーとして働いていた経験があるかもしれません。その対象者には、これまでの人生経験から導いた哲学をもっているかもしれません。
このようにハラスメントがあったとしても、その原因は色々な要素が含まれているのかもしれないのです。ですから、ケアマネジャーはハラスメントがあったとしても、その原因は何なのか確認していくことが求められます。本人の過去の生活歴から推測できることもあるでしょう。男性で高学歴であればプライドがあって、ヘルパーに指図されたくないと思っているかもしれません。かつて女中が居た家庭で育った女性であれば、ヘルパーを女中のように扱うのが普通と考えているのかもしれません。
色々なハラスメントがあって解決が難しいと思ったら、包括支援センターに相談しましょう。包括支援センターで地域ケア会議として専門家の意見を聞くことができるかもしれません。
全国で沢山のハラスメントが起きているはずです。悩むより相談するに限ります。