モニタリング7
2025-09-09

モニタリングの機会は貴重です。対象者の状態が良くなっていけば嬉しいですが、悪化していれば悲しくなります。自分と対象者や家族、そしてサービス提供者も同様でしょう。介護保険は高齢者に必ず起きる体力の低下を、なるべく起きないようにする仕組みです。誰でもいつかは寝たきりになったり、認知症になったりするのです。もちろん、両方が起きることもあります。
高齢者の特有な状態の変化はいつかは来るものです。介護予防とか重度化予防のための各種サービスがありますが、加齢による心身の変化はあるものです。
その変化に早く気付けるかどうかで、その後の状態は随分変化します。持病を持っている対象者がほとんどですから、病気の予後予測も考えておく必要があります。
以前のブログでも書きましたが、癌患者の予後は急激な変化として現れます。痛みの出現やADLの低下です。それによってQOLも低下します。本人も思考が乱れるし、家族も同様でしょう。
心肺に疾患を持っている対象者は時々体調悪化で入院になったりします。入院すれば当然要介護度は重くなります。退院時には状態が以前ほどには戻らないことが多いでしょう。中々見極めるのは難しいでしょうけど、小さな変化に気づくようにしましょう。
認知症の対象者はその認知症が、アルツハイマー型か、脳血管性のものか、前頭側頭型認知症か、レビー小体型認知症か、アルコール性認知症か、その他の認知症か、その型によって症状の出現が違って来ることも認識しておきましょう。軽度であってもいずれは中度、重度、最重度と変化していくことも予想されます。何か事件が起きてからではなく、事前にそのような症状が現れることを予測しておくことも大切です。一番問題になりそうなのは徘徊かもしれません。以前のブログでも書いたように、適切な福祉機器や見守りネットワーク等を活用しましょう。徘徊は事故につながる可能性も高いものです。高齢者の運転免許でも認知症のテストが導入されています。自主返納制度もありますが、その地域に交通手段がなければ、普通の生活が困難になることもあるでしょう。通院等乗降介助は要介護1以上であれば利用できるかもしれませんが、要支援の対象者は普通のタクシーとかを利用するしかないかもしれません。日常生活を維持するためには交通手段も考えておく必要があるでしょう。自動運転車が実現するまで、まだ少し時間がかかるでしょう。コミュニティーバスが、自動運転になる方が早いかもしれません。費用の問題もあるので、こういう先駆的な事業には自治体が予算化して欲しいものです。
骨折後のリハビリテーションにおいては、改善が目に見える形で現れるので、評価もしやすいと思います。ただ、一度骨折して筋力も低下していると、元にもどすのに時間もかかります。ケアマネジャーは順調に回復していること伝えておくと良いでしょう。人工関節置換手術をした場合は、その後のADLに十分注意して観察しましょう。専門家の意見を聞いて生活に支障がないか確認することも重要なモニタリングです。