モニタリング9
2025-09-12

モニタリングして、対象者やその家族の状況の変化に敏感であるようにしましょう。アセスメントのブログでも書きましたが、少しの変化も見逃さないことが大切です。例えば家の状況ですが、時計が止まっているのに気づかないでそのままにしている。ゴミが家に散乱している。嫌な臭いがするのに気づいていない。郵便物がそのまま置いてあって開封していない。
これらの状況は些細な変化かもしれませんが、家の状況はその居住している人の心を表しているとも言われます。すっきり片付いている部屋の持ち主は心も冷静でいると思います。絶えず散らかっている部屋の持ち主は心がかき回されているように思います。
毎月の訪問で、家の状態に変化があれば、見逃さないことです。何らかの心の状態に変化があったかもしれないのです。心が動けば体も動きます。部屋の状態で持ち主の心の状態が推測できるのです。
ゴミだらけの部屋で過ごしているのであれば、周りに関心がなくなっている状態です。多分自分ことだけで精一杯なのでしょう。ゴミが目に入らないようになってしまっているのです。通常の感覚であれば、自分の部屋は綺麗にしておきたいものです。衛生的にもきれいにすれば、感染症にもかかりにくいと思います。あるいは、視力の低下も考えられます。視界が狭いので周りのゴミに気づけないのです。視野狭窄があると物にぶつかったり、転倒したりするかもしれません。白内障があると色彩が判断できなくなります。段差も気づかなくなって転倒する可能性があります。
このように、ゴミが部屋にあってもそのままにしているのは、色々な原因が考えられます。原因となるものを除去できれば、快適な環境にすることもできるでしょう。
ただし、高齢者は物を捨てたがりません。一生使わないだろうと思われる物であっても捨てようとしないのです。きっと子供の頃の、物がなかった時代を過ごしたのであれば、物を捨てないことが美徳とされていたのでしょう。本人にとっては大切な物かもしれません。第三者から見れば、ただのゴミです。
ここらへんが、親子でトラブルになる可能性があるのです。部屋中物であふれていて足の踏み場もない状態であれば、子供は片づけるように言うことでしょう。でも、親にとっては大切な思い出の品だったりするのです。
最近は「断捨離」ということで、不要な品を手放すことが良いとされています。確かにそのとおりなのですが、高齢の親にとってはとても捨てられない品々だったりするのです。これを強引に片づけてしまうと、後々まで恨みが残ったりするのです。そして親子関係すらぎくしゃくしてしまうかもしれません。
ゴミを片付けるにしても、対象者の確認をしてからするようにしましょう。ヘルパーは片づけたい気持ちで片づけても、後から恨まれることになってしまうこともあるのです。
他人にはゴミでも、本人には宝なのです。