モニタリング10
2025-09-16

モニタリングの過程で、対象者からケアマネジャー変更の依頼があるかもしれません。対象者自身からの場合もあれば、その家族からの場合もあります。いずれにしてもケアマネジャーの交代は何らかの問題に気付かなかった為かもしれません。
ここは冷静になって、自分のケアマネジメント過程を振り返る機会になります。理由がはっきりしていれば良いのですが、理由がはっきりしない場合もあります。
私の場合も何度かケアマネジャー交代の連絡を受けたことがあります。対象者自身からであれば、理由を聞かせてくださいと質問することもできますが、家族からの場合だと理由をはっきり教えてくらないことが多いです。でも、できれば今後のためにも理由を聞かせてくれませんか?と聞いてみるのも良いと思います。理由を聞いて、ああなるほど、と納得できれば、次回からのケアマネジメントも改善できるでしょう。
ケアマネジャーの仕事は確かにあまり表面に現れないので、評価されにくいきらいがあります。ヘルパーや訪問看護やデイサービスであれば、実際に援助過程が見れますので、評価もされやすいと思います。でもケアマネジメントはいわば縁の下の力持ちのように、表面的に見えるものではありあません。ですから評価もしにくいと思います。
でも、ケアマネジャーを交代したいと思う、何かの事象があったのでしょう。ケアマネジャー自身は気づかないかもしれませんが、対象者も家族もケアマネジャーの言動を観察しています。よくあるのが、認知機能の低下した対象者だと、感情的になることがあるので、気に入らない言動があると、ケアマネジャーを交代したがります。そして何人もケアマネジャーを交代するのです。そのような対象者と対峙するときは、よく注意する必要があるのです。何が気に入らないのか?どんな話なら会話できるのか?言いたくないことはあるのか?一番の問題点は何か?そのようにして、じっくりと相手の出方を観察してゆきましょう。
以前のアセスメントでも話しましたが、人間同士であれば合う合わないは起こるものです。対象者とケアマネジャーがぴったり合うということが珍しいと思う方が良いのです。たとえケアマネジャー交代と言われても、一度振り返りの機会をもらえたと感謝しましょう。これから、相手の言動にもっと注意してアセスメントしようと考えれば良いのです。
アセスメントが十分に行われていれば、相手が納得できるケアプランを作成できるでしょうし、サービス内容も対象者に適合したものになっているはずです。ミスマッチはアセスメントが十分でなかった場合に起こるものです。ですから、ミスマッチの原因を対象者に求めるのではなく、ケアマネジャー自身に求めるようにしましょう。
ある、レビー小隊型認知症の女性がおかしな化粧をするので、止めるように言うと怒りだしました。おかしな化粧でも「きれいになりましたね」と言うと笑顔になって援助を受け入れるようになったそうです。
事実を受け止めて、自分に何ができるか考え直すのもモニタリングです。