モニタリング14
2025-09-20

日本の高齢者は痩せすぎの方が多いように思います。もともと肥満の人が少なかったので、標準体重の人が、食事の偏りや運動不足で体重減少になってしまうのでしょう。BMIが22が標準と言われていますが、22以上の人はあまりいないように思います。海外では結構22以上の人が多いようです。
食生活は国や民族によって違いますから、BMIも初めはアメリカの保険会社が作った指標に過ぎません。保険会社が標準の身長、体重から病気にかかりにくい人の指標として作成したものです。それによって肥満の多いアメリカで保険料を高めに設定することができるようにしたのです。つまり金儲けの手段として使われたのが始まりです。
このような指標を日本人にあてはめるのはどうかと思いますが、日本の生命保険会社もこの指標を使った保険商品を売り出しています。
日本ではもともと、身長(cm)から100を引いた数の体重(Kg)が標準とされていました。どちらかと言うと、このほうが正しいような気もします。
モニタリングで対象者の身長や体重を確認していますか?予防のチェックリストでは確認するようになっていますし、医師の意見書にも身長と体重の記載があります。つまり160cmの人なら適正体重は60kgとなるわけです。
体重は身体の組成までは判りません。高齢者で問題になるのは筋肉減少です。最近はサルコペニアと言っています。医師会はわざと分かりにくくしているようです。筋肉が減少すると基礎代謝が低くなります。基礎代謝が低いと体温も下がります。筋肉が動くことで熱が発生するからです。体温が下がると免疫機能も低下します。がん患者の多くが低体温の人が多いそうです。がん細胞は40度以上で死滅するとも言われていて、患者に温熱療法を施す医師もいます。
低体温は免疫機能を下げますから、風邪にも罹りやすくなります。高齢者の風邪は肺炎につながることもありますので注意が必要です。風邪を引いたら、身体を温めて、氷枕とかで熱感を下げることも必要です。よく、風邪で医師に診てもらい風邪薬を処方してもらう人が多いと思いますが、風邪は風邪ウイルスが体内で増殖して起きる症状です。医師の処方する薬は症状を抑えるもので、根本原因を除くものではありません。
かえって、発熱するのは体温を上げてウイルスを攻撃する免疫細胞を活性化させるためですから、体温を下げるのは逆効果とも言えます。咳とかくしゃみもウイルスを体外に出すための免疫反応ですから、これを抑えるのも逆効果です。痰を出すのもウイルスを体外に出すための防御機能です。痰が出せない高齢者であれば吸引器とかで痰を外に出すようにしましょう。痰はウイルスの塊です。痰が出せるようにガーグル(うがい受け)を用意してファーラー位(背上げ)にしておくことも大切です。
風邪は万病の元と言われています。これからの季節で部屋が寒すぎたり、屋内温度差が大きくないか、モニタリングできるかもしれません。