モニタリング16
2025-09-25

高齢者はどうしても免疫機能が低下してしまいます。それでも生活環境を改善すれば防げる病気もあります。生活環境というのは生活全般に関わっています。対象者の朝から夜までの行動がどのようなものか確認するのもモニタリングです。
最初のアセスメントで大体の一日の過ごし方は聞いていると思いますが、細かい情報までは確認する時間がないと思います。それで、モニタリングしながらどんな生活をしているのか確かめることができるでしょう。
何時に起きて、朝食はどのようなメニューなのか?朝のルーチンワークはあるのか?外出はするのか?新聞とかテレビはどうしているか?ニュースとかは聞いているのか?デイサービスの準備はどうしているか?ヘルパーは時間通りで援助内容は適切か?家族に疲労はみられないか?自分でできることは何か?趣味はどうしているか?友人とかの交流はあるか?買い物はどうしているか?お金の使い方はどうしているか?お風呂はどうのように入るか?食事のメニューはどうしているか?運動の機会はあるか?口腔内の状態はどうか?福祉用具は適切か?病状に変化はないか?健康管理はできているか?就寝時間は確保できているか?
生活を知るためには、ある程度細かく聞くことも必要になります。一度のモニタリングで隅から隅まで聞く必要はありません。今日はこの項目を確認しようと準備して聞けばよいのです。短期目標の進捗状況の確認は毎回行っていると思いますが、対象者の生活全般を知るにはどうしても時間を要します。最低限のモニタリングの他に、これだけは今日確認しておこうという項目を一つ選んでみましょう。思いもよらない事実がわかることもあるのです。
例えば、家族関係について話していると、実は生まれてすぐ亡くなった子供いたことを話すかもしれません。本人にとって子供を失うことはかなりのショックだったはずです。それで子供がいる親を羨ましく思っていたことを言うかもしれません。ケアマネジャーはその時は静かに頷きながら、「つらかったでしょうね」と伝えれば、本人は共感してもらったことに感謝するかもしれません。
健康だと思っていた対象者が、思わぬ病気に罹ってしまったことに悔んだり、悲しんだりしているかもしれません。ケアマネジャーは共感しながら、「これからは良くなるのですから、療養環境を整えてゆきましょう」と言えるかもしれません。
食事が面倒でカップラーメンしか食べていなかったりします。どう考えても栄養バランスが取れません。その時の空腹感は満たしてくれますが、食事のバランスが崩れると病気を引き起こしてしまいます。
ケアマネジャーは対象者が未病の状態に氣付く努力をしましょう。未病の段階で生活習慣を整えれば、本当の病気になるのを防ぐことができるはずです。
それには、ちょっとした変化に氣付く感覚を磨くことです。